ものづくりの面白さ、 喜びを数多く実感できる。

PROFILE

2014年入社
(理工学研究科建築学専攻修了)

ものづくりに一番近いとこで
仕事ができる会社を探して。

院生の時の研究テーマは、大スパンの構造物の建築設計。ドーム球場をはじめ、大空間の構造物の研究に取り組んでいました。就職活動では、有名な会社を中心に受けていましたが、教授からの「本当にやりたいことは何?」という問いがきっかけで、もう一度、ふりだしへ。デベロッパーやゼネコン、設計事務所、メーカーを比較し、ものづくりに一番近いところで仕事ができるのはどこだろうと考え、「自分が進みたいのはメーカーだ」という結論にたどり着きました。中でも、大空間を得意とする横河システム建築の技術は目を惹きましたね。薄板部材で60メートルスパンなんて、設計としては非常識。どうやって成り立っているんだろうとどんどん興味が湧いていきました。入社後の私のスタートは、千葉県袖ケ浦市の千葉工場。設計部門から届いた図面をもとに、工場に部材の製作を依頼する仕事でした。まずは、どういう部材を使って製作しているのかといった基本から学べたのは有り難かったです。それに、図面では収まっているのに実際には形にできないことがあるなど、ものづくりの現場の難しさを最初に肌で感じられたことは大きな財産となりました。

計算能力以上に、情報発信、
コミュニケーションが求められる。

現在所属する構造設計部門には2年目の途中から異動。一つひとつの建物に適した部材配置や部材断面を計算によって決めることが主な仕事となりました。日頃から心がけているのは、建物の使いやすさや工場での製作のしやすさを勘案して決めること。お客様である建設会社の意匠設計者との打合せはもちろん、社内の製作部門や工場などの関連部署と事前に協議しながら、最適な構造設計を目指し進めていきます。あらゆる情報が集まってくる設計者は計算能力も重要ですが、それ以上に情報を発信する力が求められるのです。また、常に情報を共有しておくことで、その後の工程も格段にスムーズになりますし、大きなミスに発展する事態を防ぐこともできます。構造設計の仕事で印象に残っている物件は、3年目の後半に担当した車のショールーム。システム建築と通常の建築工法をハイブリッドしたような建物でした。そのため、工場での部材製作も初めてのことづくし。材料の調達も難しかったですし、工期内に終わらせるのも一苦労でした。ただ、その分、完成した時の喜びもひとしおでしたね。また、横河システム建築は製作から施工まで自社で行っているため、工場の人たちや現場の人たちと一緒に作り上げていく感覚が味わえるのも魅力です。

建設業界の未来を考えても、
システム建築はお勧め。

将来性という点でも、システム建築は学生の皆さんにお勧めです。建設業界の職人不足が進む中、工場で製作し、現場で組み立てるだけのシステム建築のニーズはますます高まっていくでしょうし、その用途も広がり続けていくと思います。設計者としても、在来建築でやっていたものを、どうすればシステム建築で叶えられるだろうと模索する中で、システム自体をパワーアップさせるような挑戦もできると思います。そういう意味では、ものづくりの好きな人、製作する過程を見ながら設計することに面白さを感じる人には向いている仕事です。なにせ、自分の設計した建物が日本全国に次々と建っていくわけですから。私の場合で言えば、1年間で約70物件近く。完成した物件を見るといつも「もう少しできることがあったかも…」と思いますが、そのリベンジの機会はすぐに訪れますからね(笑)