出荷する際は、 子供を送り出す親の気持ちに。

PROFILE

2015年入社
(基礎工学研究科 材料工学専攻修了)

最初に工場と現場の両方の立場を
経験することができた。

ものづくりがしたい。細部までこだわりたい。そのためにも、ものづくりのスタートとなる材料のことをわかっていなければと思い、材料工学の分野に進みました。そして、材料の中でも使用用途が広く、大きなものづくりに関わることができる鉄やアルミに興味を持ちました。横河NSエンジニアリングを選んだのは、橋以外にもいろいろ携われると思ったから。工場でのものづくりも希望通りでした。新入社員研修後の本配属先は生産管理グループ。橋梁ごとに付いている担当技術者のサポートという形で、橋梁の部材を製作する工程を一から学んでいきました。そして、2年目には東京工事部に異動となり、橋梁の施工現場へ。現場代理人として作業が手順通りに進むよう、日程や協力会社の方々の管理を任されました。工場から資材が少し遅れるだけで現場の作業はストップしてしまいます。これまでとは逆の立場で働いてみて、改めてスケジュールの大切さを心身に刻み込むことができました。そして、入社3年目、現在の製造グループに異動となったのです。

橋梁とセグメント。
それぞれの難しさ、面白さがある。

工場は、メーカーのものづくりを支える心臓のような存在。この鹿島工場では橋梁とセグメントの2種類の部材を日々製作し、施工現場に送り出しています。たとえば、橋梁の橋桁の場合。約10メートルの鉄板を切断し、溶接し、橋桁を構成する何十種類もの部材を製作していくのですが、その精度管理はミリ単位で行わなければなりません。工場で働く職人さんたちが設計図面通りに製作できるよう細かな指示を出し、品質をチェック。また、作業を進める中で、どうしても図面と組み立て指示書通りに進められない箇所が出てきたら、組み立て方法から考え直す必要があります。工場で対応できることもあれば、図面を一度、設計部門に戻して修正してもらうこともある。橋梁は一品一様ということもあり、毎回、異なる条件の中で、求められる精度を管理する難しさがありますね。ただ、出荷前に工場のヤード内で100メートルを超えるような橋桁を仮組みした時の感動はたまりません。最近は、シミュレーションカメラで仮組みせず出荷することもありますが、やはり地図に残るような大きなものづくりに関わることができるのは、この仕事ならではの醍醐味だと思います。一方、セグメントは橋梁とは異なり、同じ形のものを大量に作るからこその難しさ、仕組みを改善することの面白さがあります。どちらの場合も工場から部材を送り出す時はホッとした気持ちに。「戻ってくるなよ」と子供を送り出す、ちょっとした親のような感覚になりますね(笑)

アットホームな職場で、
新しい挑戦を続けていきたい。

横河NSエンジニアリングの魅力を挙げるとすると、アットホームな雰囲気ですかね。工場では社員だけでなく、一緒に働く職人さんも含めて、みんな優しいですね。わからないことは聞けば教えてくれますし、部署や年齢に関係なく交流も盛んです。また、みんなものづくりに真剣で熱い気持ちを持っていることも大きな魅力です。学生時代に橋梁の勉強をしていなくても、やる気があれば、しっかり教育してくれる環境が整っています。今後の目標は、橋梁の新設に加え、維持や補修にも役立つものづくりを突き詰めていくこと。たとえば、工場で部材を製作する段階から、補修のしやすさを織り込んでおくなど、歴史の長い橋梁製作においても、新たに挑戦できることはまだまだあるはずです。