プロジェクトの始動。それぞれの役割。
田部
当社では、もともと20年くらい前から3次元モデルによる工場製作の効率化に取り組んでいました。2012年から国交省が旗振り役となって、3次元モデルを使って建設業界全体のIT化を進めるべく、CIMを推進し始めたのです。2017年にはCIMを導入するためのガイドラインも発表され、私たちもこれまでの知見を活かしながら、CIM関連の新しい商品やサービスをつくっていこうということで改めてプロジェクトが立ち上がりました。
中川
私も十数年前の入社当時から3次元モデルの開発に携わっていたので、CIMが始まると聞いた時は「今さら?」という感じはありました。実際、私たちが先行していましたが、同業他社も似たような取り組みはすでに行っていましたしね。
田部
ただ、今回のCIMでは、3次元モデルを活用する領域を計画・設計・製作・施工はもとより維持管理まで、もっと幅広く使っていこうというもの。建設業界で共通のルールをつくるため、会社の枠を超えて協力し合う必要がありました。
中川
だから、プロジェクトのマネージャーである田部と私は社外での情報収集を行ったり、他社のシステムとのデータ連携のために同業会社と話をしながら共通のルールを決めていったりしていました。それまで仕事で同業他社と関わることがなかったので、そこでのやりとりは良い経験になりました。
田部
いろんな団体や関係者に説明したり、交渉したり。そもそも、建設業は一社では完結しない事業です。それにCIMは国交省が推進しているプロジェクトということもあり、一つの会社だけで勝手にやるわけにもいかない。そうしたパートナーとの情報交換や情報共有は苦労しましたね。
嶽本
私はCIMが推進された2012年はまだ学生でした。しかし、その当時からCIMの将来性に興味を感じていて、入社後に社内でCIMのプロジェクトの参加メンバーを募っていた時、「ぜひ、やりたい」と申し出て参加することになりました。若手の意見も聞いてくれる環境で本当に良かったです。ちなみに、現在は要件に合わせたシステムの開発を、メインにやっています。
中川
そう。技術的なところは、かなり嶽本くんに任せています(笑)。